こんにちは! 代表取締役の小野孝太郎です。 今日はお客様から頂いたご質問…
部下とのコミュニケーションを大切にした結果、部下が自分にとても頼るようになり、自分で考えずに答えを求めてくる・・・そのような場合どうしたら良いですか?
…について、私が考えることをお話したいと思います。
■「分からない」と答える部下にどう接するか?
例えば部下が「このような場合はどうしたら良いですか?」と聞いてきた時、
「◯◯さんは、どうしたら良いと思いますか?」
と問いかけてみるのは、とても良い関わり方だと思います。 ただ答えを与えてしまうのではなく、自分で考えさせるのです。
しかしながら、このようなケースで
「分かりません」
と答える部下の場合どうしたら良いのか?というのが、ご質問者の悩みでした。
■「分からない」と答える理由は何か?
「分からない」と答える理由は何でしょうか? 大きく分けたら以下の3つではないでしょうか。
①考えはあるが、言うことを躊躇している
②考えが全くないわけではないが、うまくまとめられない
③考えが浮かばない
①、②の場合は、言ったらどう思われるか? どう反応されるかを心配し、言わないという選択をしている状態です。 上司に対して心理的安全性を十分に感じられていない可能性があります。 そのようにならないためにも、日頃から
・まとまっていなくても大丈夫。まずは浮かんでいる単語だけでも大丈夫。
・間違っていても大丈夫。
・考える力をつけていくことに価値がある。
たとえばこのような働きかけをすることで、心理的安全性を育むことができます。
では、③の場合はどうしたら良いでしょうか?
■オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの考え方
オープン・クエスチョン、クローズド・クエスチョンという概念は問いを立てるのに大変重要です。オープン・クエスチョンは、回答の仕方の自由度が高い質問です。
回答者の自由な思考を促し、創造力を発揮させる効果がある一方で、回答者にとってオープンすぎると思考停止に陥る可能性があります。
例えば
「世界平和のために何ができますか?」
などという質問は、「何」というところに入りうる選択肢は無数にあり、オープン・クエスチョンと言えます。
一方、例えば、
「今朝、あなたは歯を磨きましたか?」
という質問は、「はい」か「いいえ」に回答の仕方がほぼ限定されるので、クローズド・クエスチョンと言えます。
オープンな度合いが強すぎると、回答者にとっては思考停止に陥る場合がありますので、その場合は、よりクローズにする工夫が必要です。
例えば、
「世界平和のために何ができますか?」
ではなく、
「今日、同僚を喜ばせるためにできることを、一つだけあげるとしたら何ですか?」
のように、範囲を限定して質問してみる…などです。
もし、それでも「分からない」場合は、例えば具体的な選択肢をいくつか提示し、その中から選ぶとしたら何ですか? 選んだ理由は何ですか? などの問いにしてみてはいかがでしょうか?
■まとめ
人それぞれの知識、思考力、判断力、創造力などのレベルがあります。相手のレベルに合わせて、相手の最大限の思考を促し、創造性を発揮できるように質問を工夫をすることで、部下の成長を促すことができます。
部下を動かすために「どのように伝えたら良いか?」という問いではなく、「どのような質問をしたら良いか?」 是非そちらに意識を向けてみてください。