こんにちは! 代表取締役の小野孝太郎です。 今日は「苦手な人との関わり方」というテーマでお話したいと思います。 苦手と感じる人と関わる際の参考になれば幸いです。
■そもそも「苦手な人」とは?
「苦手」を辞書で調べると
・扱いにくく嫌な相手
というのが第一の意味になっています。 自分にとって扱いにくく、嫌な気持ちがする人が「苦手な人」です。 皆様の周りには「苦手な人」はいらっしゃいますか? もしそうなら以下の考え方を応用できるかもしれません。
■なぜ「苦手」と感じるのか?
具体的な例でご説明します。
あるお客様に「文句が多い人とのコミュニケーションの取り方」というご質問をいただきました。 このような時、どうすれば良いでしょうか?
この質問をしてくれた人をAさん。「文句が多い人」をBさんとします。
私でしたら以下のように考えます。
「文句が多い人」をまず「事実」と「解釈」に分解します。
「文句が多い人」というのは「解釈」です。
その解釈の前に、AさんとBさんとの関係性において起こったなんらかの「事実」があるはずです。
例えば、
“Aさんが職場で指示を出したら、Bさんは首を横に2回振り、Xと述べた”
など、実際に起こったありのままのことが「事実」です。
Bさんが述べた内容Xを「文句」と解釈し、おそらく過去にも同様に「文句」と解釈した場面が複数回あったので「文句が多い」という解釈をしているのだと察します。
もしかすると、Xの内容は、Aさんからの働きかけに対して反対するような内容かもしれません。 そんなことを言うBさんに対して、Aさんは苦手意識を持っているのではないでしょうか。
AさんがBさんを苦手と感じているのは「文句が多い」からなのではありません。「文句が多い人」と解釈しているから苦手と感じているのです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
まず第一に、自分の解釈を手放してみるのです。例えば、
「Bさんは自分とは違う考え方をしている」
どちらが良いも悪いもなくて、AさんとBさんは違う意見を持っている。違う考え方をしている。そのように現状を捉え直してみるのです。
これができれば、次のステップに進むことができます。 そのステップとは、大ベストセラー「7つの習慣」の5つ目の習慣にあります。「まず理解に徹し、そして理解される」です。
■まず理解に徹し、そして理解される
BさんはAさんからの働きかけに対して”X”という内容の反応をしました。 その背景にはBさんのどのような想いがあったのでしょうか? まずそこを丁寧に聞くことが大切であると私は考えます。
A「そうですか。BさんはXと考えるのですね」
B「はいそうです」
A「考えを伝えてくださりありがとうございます」「一つ質問しても良いですか?」
B「いいですよ」
A「もう少し詳しく、Xと考える理由を良かったら話していただけますか?」
「BさんがXという考えに至った背景にある想いを詳しく理解したいんです」
例えば、このような感じで、Bさんが、Xという発言をした背景にある想いを聞いてみるのです。 もしかしたらAさんが想像もしなかった理由が隠されているかもしれないし、ひょっとすると、Bさんが言っているXにAさんも合意できる可能性だってあるかもしれません。
ちなみに少し話しが逸れますが、何かを相手に質問したり伝えたりする前には「許可を求める」ことは相手との関係性を良好にするのにとても有効です。 つまり「質問しても良いですか?」「今感じていることを伝えても良いですか?」と伝える前に尋ねるのです。 相手はそれにより心の準備ができるし、聞く態勢が整います。 相手にいきなり何かを言われて戸惑った経験があるのではないでしょうか?
■意見が対立したときには、合意できる上位目的に立ち返る
上述のように聞くことで、BさんがXと述べた背景にある想いを理解できるし、もしかしたらその考え方は自分にとっても盲点だった可能性もあります。
しかし意見は対立したままでしょう。 そのような時にとても有効なのは、まず、お互いが合意できる共通の目的を確認することです。
意見が対立するのは、何らかの目的に対する手段だったり、考え方で対立しているはずです。 ですからそもそも今何を目的に話しているのか? お互いが合意できるところまで立ち返るのです。
その上で、関わる人達それぞれの違った価値観を取り入れて、皆が合意できる着地点を一緒に見つける姿勢が大切だと私は考えます。 このプロセスには時間がかかるかもしれません。 それでもやるだけの価値があると私は考えます。 そうすることで組織のメンバーひとりひとりが、目的に向けた手段を自分なりの考え方で発想するようになっていきます。 その考えを丁寧に聞かずに頭ごなしに否定すれば、メンバーは心を閉ざします。 全ての人の自由な創造性を解き放つためにも、一人ひとりの発言の背景にある想いを深く聞いていくことがこれからのリーダーに求められると私は思います。